腰痛が長引くと、「もう治らないのでは…」と不安になりますよね。
でもご安心ください。慢性腰痛の多くは、正しい理解と少しの習慣改善で必ず変わります。
実は「腰をマッサージする」「痛いところを休ませる」だけでは、根本的な改善にはつながりません。
本当の治し方とは、動かす・整える・ゆるめるをバランスよく取り入れること。
この記事では、理学療法士が臨床現場で実践している
✔ 慢性腰痛の原因と仕組み
✔ 自宅でできる動的ストレッチ
✔ ストレスを整えるセルフケア
をわかりやすく解説します。
「繰り返す痛み」から卒業し「自分で整えられる体」を目指しましょう。
当整体院にも、
・レントゲンやMRI上、加齢に伴う変形はあるが大きな問題はなかった。けどなかなか良くならない
・痛み止めや湿布を処方され、日常生活の活動や仕事は落ち着いたら再開したけどまた痛くなってしまった…
・整骨院で電気治療、病院やクリニックでのリハビリをやっていたが効果を感じなかった…
など多くのお悩みや不安のご相談を頂きます。
「腰痛には治療だけでなく、正しい施術とアプローチ、考え方、取り組み方が必要です!」多くの方が抱える慢性腰痛に対して、理学療法士の視点からのアプローチを詳しく解説し、効果的な施術法と自宅でできるセルフケアをご提案します。
大田区池上の整体院 セルフケアアドバイスセンター ~からだ塾~では、「腰痛を改善させ、腰痛を繰り返さない体づくり」を掲げ、活動しています。

腰痛の治療や対策|大田区池上整体リハビリ慢性腰痛とは?原因と特徴を理解する
腰痛の治療や対策|大田区池上整体リハビリ慢性腰痛と急性腰痛の違い
腰痛には大きく「急性腰痛」と「慢性腰痛」があります。
どちらも同じ腰の痛みですが、原因や経過、必要な対処法はまったく異なります。
特に“繰り返している腰痛”の多くは慢性腰痛に分類され、適切な理解と対応が欠かせません。
急性腰痛は、いわゆる「ぎっくり腰」に代表されるように、突然強い痛みが出るタイプです。
重い物を持ち上げた瞬間や体をひねった動作など、はっきりとしたきっかけで起こりやすく、炎症や筋肉の損傷といった局所的なトラブルが原因です。
数日〜数週間の安静や処置で自然に回復するケースも多く、再発しなければ日常生活に大きな支障は残りません。
一方で、慢性腰痛は「3か月以上痛みが続く状態」を指し、繰り返し再発している腰痛もこれに含まれます。
特徴的なのは、痛みの原因が一つではなく複数重なっていることです。
筋力の低下や姿勢の崩れ、柔軟性の不足といった身体的な要因に加え、仕事や家庭でのストレス、不安感、抑うつ傾向などの心理社会的な要因も強く関わります。
腰だけでなく「体の使い方や心の状態」が複雑に絡み合い、症状を長引かせているのです。
特に注意したいのは、急性腰痛を繰り返すうちに慢性腰痛へ移行するケースです。
強い痛みを経験すると「また痛くなるのでは」という恐怖心が生まれ、体を動かさなくなります。その結果、筋肉や関節が硬くなり、さらに腰に負担がかかる――この悪循環が慢性化の大きな要因です。
つまり、繰り返す腰痛に悩む方は「単なる腰の問題」ではなく、「体・心・生活習慣の総合的な問題」としてとらえる必要があります。
改善には、痛みを和らげる対処だけでなく、筋力や姿勢の見直し、ストレスケア、生活習慣の調整を組み合わせた総合的なアプローチが求められるのです。
腰痛の治療や対策|大田区池上整体リハビリ慢性腰痛の主な原因(筋力低下・姿勢・心理社会的ストレス)
慢性腰痛が繰り返される背景には、「これだけが原因」という単純なものは存在せず、複数の要因が重なり合っています。
特に繰り返す腰痛に悩む方は、「身体の抵抗力」と「日常生活でかかる負荷」のバランスに注目することが大切です。
① 抵抗力と負荷のバランス
腰痛は「筋力が弱いから必ず起きる」わけではありません。
たとえ筋力や柔軟性が不足していても、日常生活でかかる負荷が小さければ痛みは出ないケースもあります。
逆に体が十分に強くても、長時間のデスクワークや重労働などで過剰な負担が続けば症状は現れます。
つまり、腰痛は「体が耐えられる力」と「日常生活の負荷」の天秤が崩れたときに起きるのです。
オーバーユース(使いすぎ)、アンダーユース(使わなさすぎ)、不動(動かさなさすぎ)のいずれでも、このバランスが崩れると腰痛が繰り返されます。
② 筋力低下と姿勢の崩れ
腰を守るのは腰の筋肉だけでなく、お腹のインナーマッスルやお尻・太ももの筋肉も重要です。
これらが弱ると抵抗力が落ち、日常の些細な動作でも腰に負担が集中します。
さらに、猫背や反り腰、足を組む、片足重心といった姿勢のクセは「負荷の側」を増大させ、天秤を崩す原因になります。
筋力と姿勢の問題は、慢性腰痛の土台を形成する要素といえます。
③ 心理社会的ストレスと自律神経の乱れ
心理的要因も「体の抵抗力」を低下させる大きな要素です。
仕事や人間関係のストレス、不安、抑うつは、脳を敏感にし痛みを強く感じやすくします。
さらに、自律神経のバランスを乱し、交感神経が優位に傾くと筋肉は硬直し血流が滞り、痛み物質が蓄積しやすくなります。
一方で、副交感神経の働きが低下すると、睡眠の質や回復力が落ち、体の修復が追いつかなくなります。
その結果、本来なら耐えられるはずの負荷でも「痛み」として表れやすくなり、症状が長引く悪循環に陥ります。
このように、慢性腰痛は筋力や柔軟性といった身体的要素だけでなく、姿勢習慣や心理社会的要因、自律神経の乱れなど、複数の因子が天秤のバランスを崩すことで繰り返されます。
したがって「どちらの側が崩れているのか」を見極め、体と心の両面から整えていくことが改善と再発予防につながります。
腰痛の治療や対策|大田区池上整体リハビリ慢性化のメカニズムと痛みの悪循環
「なぜ腰痛が繰り返し続いてしまうのか?」――多くの方が感じるこの疑問には、慢性腰痛特有の「痛みの悪循環」という仕組みが関係しています。
これは単に腰の筋肉や骨の問題だけでなく、心の働きや自律神経のバランスも深く関わっています。
まず、腰に強い痛みを経験すると、人は「また痛くなるのでは」という不安や恐怖を抱きます。
その心理的ストレスは交感神経を優位にし、筋肉を硬直させ、血流を悪化させます。
その結果、痛み物質がたまりやすくなり、症状はさらに強まります。
一方で、痛みへの不安から「体を動かさないでおこう」とする行動が増えます。
動かないことで筋力や柔軟性は低下し、身体の抵抗力は落ち、ちょっとした日常動作でも腰に負担が集中するようになります。
これが「使わなすぎ(アンダーユース)」の状態です。結果として、さらに腰痛が出やすくなり、「やっぱり動くと痛い」という認識が強化され、ますます活動量が減ってしまう――この悪循環が慢性腰痛を長引かせる大きな原因です。
さらに、痛みが続くと脳の痛みを感じる回路が敏感になり、通常なら耐えられる負荷でも「痛み」として認識されやすくなります。
これを「中枢性感作」と呼び、慢性痛の研究でも注目されています。
つまり、慢性腰痛は「腰だけの問題」ではなく、「脳や神経が痛みを増幅する仕組み」が加わっているのです。
このように、慢性腰痛は「痛み → 不安・恐怖 → 活動制限 → 筋力低下・血流悪化 → さらに痛み」というループを繰り返すことで悪化していきます。
したがって改善のカギは、この悪循環をどこかで断ち切ることにあります。
ストレッチや筋トレで身体を強くすることはもちろん、呼吸法や瞑想で自律神経を整え、痛みに対する恐怖心を和らげることも重要です。体と心の両面にアプローチすることが、繰り返す慢性腰痛を抜け出す最も効果的な方法なのです。

腰痛の治療や対策|大田区池上整体リハビリ慢性腰痛の治し方|自宅でできるセルフケア
腰痛の治療や対策|大田区池上整体リハビリ慢性腰痛に効くストレッチ|キャット&カウで背骨を動かす
慢性腰痛の改善において、一般的には「静的ストレッチ(伸ばして止める方法)」が紹介されることが多いですが、繰り返す腰痛にはそれだけでは不十分です。
理学療法士の視点から大切にしているのは、動的ストレッチやモビライゼーションです。
これは関節や筋肉を「動かしながら」ゆるめる+弱さのある部分の強さを取り戻していく方法で、ただ伸ばすのではなく、可動域を広げつつ神経や血流の働きも改善できるのが特徴です。
その中でも、腰痛改善の最初の一歩としておすすめしたいのが 「キャット&カウ」 です。
四つ這いになり、背中を丸めたり反らしたりするだけのシンプルな動きですが、実際には胸椎・骨盤・股関節までを連動して動かせるため、腰そのものに過剰なストレスがかかるのを防ぎます。
慢性腰痛の方は「腰ばかりが動いて、他の部分が固まっている」ことが多く、この運動を通じて背骨全体を均等に動かす感覚を取り戻せるのです。
やり方は次のとおりです。
① 四つ這いになり、手は肩の真下、膝は腰の真下に置きます。
② 息を吐きながら背中を丸め、猫のように背骨を天井へ押し上げます(キャット)。
③ 次に息を吸いながら背中を反らし、胸と骨盤を軽く開くように動かします(カウ)。
④ この動きを呼吸に合わせて10回繰り返しましょう。
行うときのポイントは「大きく動かそう」とせず、背骨一つひとつが順番に動いている感覚を意識することです。
痛みがあるときは無理せず、“気持ちよく動ける範囲”で止めて構いません。
呼吸と合わせることで、自律神経が整い、筋肉の余分な緊張がやわらぎやすくなります。
キャット&カウを継続すると、胸椎や骨盤の可動域が回復し、腰椎だけに集中していた負担が分散されます。
その結果、「動かすと痛い」という恐怖感も減り、日常動作がスムーズになります。車でいえば、特定の部品にだけ負担をかけるのではなく、全体をメンテナンスして走りを良くするようなイメージです。
このように、繰り返す慢性腰痛には“静的に伸ばす”だけでなく、“動かしながら整える”キャット&カウが効果的です。
ストレッチに迷ったら、まずはこの一つから始めてみましょう。毎日の数分で、腰にかかる負担のバランスは大きく変わっていきます。
腰痛の治療や対策|大田区池上整体リハビリ慢性腰痛の治し方|バードドッグは段階的に進めるのがカギ
慢性腰痛を繰り返す多くの方に共通しているのが、体幹の安定性の低下です。
腰は本来「大きく動く場所」ではなく、「体を支えるために安定しているべき場所」です。
しかし、股関節や胸椎といった周囲の関節が硬くなると、その分の動きを腰で代償するようになり、結果的に腰椎が必要以上に動かされ、負担が集中します。
これが「繰り返す慢性腰痛」の典型的なパターンです。
このときに重要なのは「筋肉をただ鍛える」ことではありません。
必要なのは、崩れそうな姿勢を無意識に保てる力=体幹の協調性を取り戻すことです。
これを改善する代表的な方法が、四つ這いで行うバードドッグです。
バードドッグは、手足を動かしながらバランスをとる運動で、背骨を支えるインナーマッスル(腹横筋や多裂筋)が自然に働き出すのが大きな特徴です。
言い換えれば「腰を守るセンサー」を再教育するトレーニングといえます。
ところが、臨床で多くの患者さんを見ていると、正しくできている方は驚くほど少ないのが現実です。
むしろ「得意な筋肉で頑張ってしまい、腰を反らせる」「骨盤を傾けて代償する」など、逆に腰へ負担を強めてしまう人も少なくありません。だからこそ、段階的にステップアップする方法が非常に大切になります。
【バードドッグのステップアップ方式】
① 片手だけ上げる(初級編)
四つ這いから片手を前に伸ばします。腰や骨盤がぐらつかず、痛みもなければ合格。
② 片足だけ上げる(中級編)
片手が安定してできたら、今度は片足を後ろに伸ばします。骨盤が傾かず、腰が反らないかを確認。
③ 片手+片足を同時に伸ばす(基本編)
初級・中級が安定してから挑戦。背骨をまっすぐに保ち、呼吸を止めないことがポイント。
④ 応用編:肘・膝の曲げ伸ばし
片手+片足を伸ばした姿勢から、肘と膝を近づけたり離したりする上級ステップ。安定性が高まって初めて行います。
【実践のポイント】
・無理に次の段階に進まず「安定してできるところ」で止める
・痛みが出る場合は一段階戻す
・1日5回からでも十分。大事なのは「数」ではなく「質」
★まとめ★
バードドッグは「腰痛に良い」として広く紹介されていますが、正しくできなければ逆効果になることもあります。
大切なのは、いきなり完成形を目指さず、段階を踏んで少しずつ「体幹を協調的に働かせる感覚」を取り戻すことです。
このプロセスを習慣にすることで、腰は余計な負担から守られ、繰り返す慢性腰痛から抜け出すための確かな一歩となります。
腰痛の治療や対策|大田区池上整体リハビリ慢性腰痛の治し方|呼吸で自律神経を整えストレスを軽減する
慢性腰痛は、筋力不足や姿勢だけでなく、心理社会的ストレスによっても悪化します。
強いストレスや不安は自律神経のバランスを乱し、交感神経を優位にしてしまいます。その結果、筋肉は常に緊張し、血流が悪化して痛みが強まりやすくなるのです。
ここで有効なのが「呼吸法」です。
ただし「呼吸でリラックスしましょう」といった一般的な説明では不十分です。
なぜ呼吸が自律神経を整えるのかを理解することが、継続のモチベーションにつながります。
ポイントは横隔膜と迷走神経の関係です。
お腹の奥で上下する横隔膜には、副交感神経の働きを担う迷走神経が近接しています。
深い呼吸(腹式呼吸)で横隔膜を大きく動かすと、この迷走神経が刺激され、副交感神経が優位になりやすくなります。
これが「呼吸でリラックスできる」科学的な理由です。
さらに、呼吸には心拍との連動(RSA:呼吸性洞性不整脈)があります。
吸うときに心拍はやや速くなり、吐くときに遅くなる。
つまり「吐く息を長めにする」だけで、副交感神経が働きやすくなり、筋肉の緊張も自然にやわらぐのです。
もう一つの重要な点は、浅い胸式呼吸は体を硬くするということ。
肩や首まわりの筋肉を過剰に使うため、肩こりや腰の緊張につながります。
これに対し、腹式呼吸は横隔膜を主体に使うため、体の余計な緊張を解き、血流を改善して回復しやすい状態をつくります。
実践法:マインドフルネス呼吸
① 椅子に座るか仰向けで、手をお腹に置く
② 鼻から息を吸い、お腹をふくらませる
③ 口から細く長く吐き、お腹をへこませる(吐く息を長めに)
④ 2〜3分繰り返し、呼吸のリズムに意識を集中
呼吸法は「今この瞬間」に意識を向け、ストレスから距離をとる効果もあります。呼吸を通じて自律神経を整えることは、単なるリラックスではなく、「腰痛を繰り返さないための土台」をつくるセルフケアなのです。

腰痛の治療や対策|大田区池上整体リハビリ慢性腰痛を繰り返さないための生活習慣改善
腰痛の治療や対策|大田区池上整体リハビリ慢性腰痛を悪化させない正しい姿勢の工夫
慢性腰痛を繰り返す方の多くに共通するのが、「姿勢が悪い」ことではなく、姿勢を支える力と動きの切り替えが上手くいっていないことです。
つまり、どんな姿勢をしてもいいけれど“長時間そのまま”が問題なのです。
姿勢とは静止ではなく、「常に小さな修正を繰り返している動作」です。
本来、腰への負担は体全体で分散されるように設計されていますが、体幹や骨盤の支えが弱くなると、バランスを取るために腰まわりの筋肉が過剰に働き、慢性的な緊張を招きます。
この状態が続くと、立っていても座っていても「腰が疲れる・重だるい」と感じやすくなります。
■立ち姿勢のポイント
立位では、耳・肩・股関節・くるぶしが一直線上に並ぶのが理想です。
ただし、「背筋をピンと伸ばそう」と意識しすぎると、腰を反らせて逆に負担をかけてしまいます。
ポイントは、お腹を軽く引き上げるようにして、骨盤をわずかに前傾させること。
これにより、腹横筋や多裂筋などインナーマッスルが自然に働き、腰を安定させます。
また、長時間立つときは片足を少し高いところ(5〜10cm)に乗せるだけでも、腰椎への圧力を軽減できます。これは骨盤の角度をリセットする効果があるため、腰痛持ちの方におすすめです。
■座り姿勢のポイント
座位は腰への負担が最もかかる姿勢です。
「背もたれに寄りかからず、姿勢を正そう」と思うほど、腰まわりの筋肉に力が入りすぎて疲れてしまいます。
重要なのは、骨盤で座る意識を持つこと。
椅子に深く腰をかけ、坐骨(お尻の骨)で体重を支えるようにします。
背もたれには軽くもたれかかり、足裏はしっかり床に接地。
背中のS字カーブを保つように意識すると、腰椎の負担を最小限にできます。
もしデスクワークが続く場合は、30〜40分に一度、立ち上がって肩を回したり、骨盤を前後に動かすだけでもOKです。
「完璧な姿勢を維持する」よりも、「こまめに姿勢を変える」ことが慢性腰痛の予防につながります。
■動作中の姿勢意識
荷物を持つ、床に落ちたものを拾うなど、前かがみ動作の際は腰を曲げずに股関節を折るようにします。
いわゆる「ヒンジ動作(股関節ヒンジ)」です。
この動き方を意識するだけで、腰の負担を大幅に減らすことができます。
重いものを持ち上げる際は、膝と股関節を一緒に曲げ、腰を立てたまま重心を下げるのがポイントです。
姿勢の目的は「見た目を整える」ことではなく、体への負担を最小限にし、余計な筋緊張を起こさないことです。
腰を守るためには“いい姿勢”をつくるよりも、“姿勢を変え続けられる体”をつくる意識を持つことが、何より大切です。
腰痛の治療や対策|大田区池上整体リハビリ慢性腰痛の治し方|日常生活に潜む負荷の原理原則を理解する
みなさんに伺うと、慢性腰痛を繰り返している方の多くがこうおっしゃいます。
「痛めたきっかけはわからない。転んだりぶつけたりもしていない」
「普通に生活しているだけなのに、また痛くなった」
「運動不足だからと思ってランニングを頑張っているけど、余計に痛くなってきた」
まさにこの状態こそが慢性腰痛の本質=“蓄積型の痛み”です。
一度に強い衝撃があって起きる急性腰痛(ぎっくり腰)とは違い、慢性腰痛は「小さな負担の積み重ね」によって少しずつ現れ、そして再び繰り返してしまうのです。
■なぜ「普通にしているだけ」で痛くなるのか?
日常生活では、家事・仕事・運動などの中で、私たちは無意識に腰を酷使しています。
腰は体の中心にあり、どんな動作でも安定と支えの役割を担っています。
しかし、動作のクセや姿勢の偏りがあると、腰が「本来動かなくていい範囲」まで動かされてしまい、筋肉や関節に微細なストレスが蓄積していきます。
たとえば、掃除機をかける・洗顔する・荷物を持つ・パソコンを使う。
これらはどれも腰を直接「使っている」感覚がない動作ですが、股関節や胸椎が十分に動かないまま腰で代償していることが非常に多いです。
その繰り返しが、いわゆる「慢性腰痛を治してもまた戻る」原因なのです。
■日常生活の中に潜む負荷の原理原則
掃除機をかける・洗顔時
→ 背中を丸める前傾姿勢が続くと、腰椎が常に引き伸ばされて緊張。
→ 股関節から折るように前傾する(ヒンジ動作)を意識。
デスクワーク・スマホ操作
→ 猫背姿勢が続くと、頭の重み(約5kg)が腰へと連鎖。
→ 坐骨で座り、胸を開くことで背骨のS字カーブを保つ。
ランニング・ウォーキング
→ 体幹が安定していないまま衝撃を受け続けると、腰が“衝撃吸収装置”になってしまう。
→ 骨盤の安定とリズミカルな呼吸を意識する。
■腰痛を繰り返さないための考え方
「動作のたびに腰が頑張りすぎている」──このことに気づくことが、改善の第一歩です。
慢性腰痛を治すというのは、筋肉をほぐすことでも、鍛えることでもなく、“体をどう使うか”を再教育することです。
日常の中で、腰ではなく「股関節・胸・足」で動く意識を持つだけで、腰へのストレスは大幅に減ります。
つまり、腰を“使わないで済む体”をつくることこそ、慢性腰痛の本当の治し方なのです。
腰痛の治療や対策|大田区池上整体リハビリ慢性腰痛とストレスの関係|自律神経を整える心と体のケア
「検査では異常がないのに、腰の痛みが取れない」
「調子がいい日もあれば、何もしていないのに痛みが出る日もある」
このような“波のある痛み方”を訴える方は非常に多く、それを説明するうえで欠かせないのが “自律神経とストレスの関係” です。
■脳と体をつなぐ「自律神経」の働き
自律神経は、呼吸・血流・内臓・筋肉の働きを自動的に調整している神経です。
活動時に優位になる「交感神経」と、休息時に働く「副交感神経」がバランスを取りながら、体の状態を一定に保っています。
しかし、仕事・人間関係・将来への不安など、ストレスが続くと交感神経が過剰に働き、体が“常に緊張状態”になります。
すると、筋肉がこわばり、血流が悪化し、痛みを感じる神経も過敏に反応します。
その結果、本来なら問題ない動きや刺激でも「痛み」として感じてしまうのです。
■「ストレスで痛くなる」は気のせいではない
最新の研究では、心理的ストレスが続くと、脳の「扁桃体」や「前帯状皮質」という部分が過剰に働き、痛みを“強調”して伝えることがわかっています。
つまり、「腰痛=腰の問題」ではなく、脳と自律神経の反応の結果としての痛みでもあるということ。
だからこそ、体を整えるだけでなく、“心を整える習慣”が欠かせません。
■自律神経を整えるための3つのセルフケア習慣
① 呼吸でリセットする
深くゆっくりとした呼吸は、副交感神経を優位にし、脳に「安心」の信号を送ります。
特に“息を吐く”ことを長く意識することで、体全体の緊張が自然と抜けていきます。
キャット&カウや四つ這い運動の中に呼吸を合わせると、動きとリラックスが同時に整います。
② “ふーっ”と緩む時間をつくる
リラックスは「特定の方法」ではなく“自分に合ったスイッチを見つけること”が大切です。
たとえば、
・本を読む
・音楽を聴く
・映画を観る
・軽くストレッチやヨガをする
・温かいお茶を飲む
どんな形でも構いません。
「ふーっと力が抜ける」「心が少しやわらぐ」と感じる行為が、副交感神経を刺激してくれるものです。
つまり、“リラックスとは自分で選べるスキル”なのです。
③ 1日5分の「何もしない」時間をもつ
常に頑張りすぎている人ほど、慢性腰痛を抱えやすい傾向があります。
たとえ5分でも、スマホを置いて「何も考えず、ぼーっとする時間」を意識的につくりましょう。
脳の緊張がゆるむだけで、体の力も自然と抜けていきます。
■心をゆるめることが、体を整える最短の道
ストレスをゼロにすることは誰にもできません。
しかし“ストレスを受け流せる体”に変えることはできます。
心がリラックスすると筋肉もゆるみ、呼吸が深くなり、血流が整います。
その積み重ねが、痛みの感じ方そのものを変えていくのです。
「痛みを治すこと=体を変えること」ではなく、
「痛みを繰り返さないこと=心と体のバランスを整えること」
これが、理学療法士の視点から見た 慢性腰痛の本当の治し方 です。

腰痛の治療や対策|大田区池上整体リハビリまとめ:慢性腰痛の治し方まとめ|正しい理解と体の使い方が再発防止の鍵
慢性腰痛の治し方には、一般的に3つの誤解があります。
①「筋肉をほぐせば良くなる」
②「安静にすれば治る」
③「痛みがあるうちは動かしてはいけない」
実際には、これらはどれも一部しか正解ではありません。
本当に大切なのは、“体の耐える力”と“生活での負荷”のバランスを整えること。
筋肉を強くすることだけでなく、股関節・胸椎・骨盤など全体を連動させて動かすことで、腰の負担は自然と減ります。
さらに、ストレスや自律神経の乱れが長期的な痛みを助長することもあります。
呼吸を整え、リラックスできる環境を自分で選ぶ力──それが慢性腰痛の改善を支える“心の筋力”です。
腰痛を繰り返すのは、あなたの体が「使い方を変えてほしい」と教えてくれているサイン。
焦らず、少しずつ、自分の体を再教育していくことで、痛みのない毎日へ近づけます。
理学療法士の視点から言えるのは、
「正しい知識は、最高の治療になる」
ということです。
今回は「慢性腰痛 治し方|理学療法士が解説」についての記事でした。
腰痛の改善には、単なる痛みの緩和ではなく、根本的な原因に対応するための多角的なアプローチが効果的です。
病院治療、整体施術、自宅でのセルフケアを組み合わせ、腰痛の予防と長期的な健康管理を目指しましょう。
正しい知識と習慣の確立により、腰痛から解放される日常を目指します。
大事なことは、
・ご自身のおからだの特徴を把握すること
・腰痛、ケガや病気のことを正しく知ること
これらが重要となります。
当整体院『からだ塾』では、おからだの状態をカウンセリングや評価を通じて確認し、体の不調、痛みやコリなどの改善に向けた施術はもちろん、ご自身でも行えるセルフケア(運動療法やトレーニング)を学び、他ではないトータルサポートで繰り返さないからだ作りを支援、サポートいたしております。
ぜひ一度、お気軽にご相談くださいませ。
ご自身のからだのことを知り、ご自分に合った施術、セルフケアやトレーニングでつらい症状を改善させていきましょう。
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この整体コラムを書いた人
大田区池上駅の整体院 からだ塾センター長・理学療法士田中隆太

保有資格
- 理学療法士(国家資格)免許取得
- 日本オランダ徒手療法士 四肢コース修了
- 日本オランダ徒手療法士 準徒手(脊柱・骨盤帯コース)修了
- 日本オランダ徒手療法士 徒手(筑波大)コース
- 日本オランダ徒手療法士 認定講師任命
- 日本理学療法士協会在籍 新人教育プログラム修了
- 日本理学療法士協会在籍 登録理学療法士取得済
- 日本理学療法士協会在籍 地域ケア会議推進リーダー取得
- 日本理学療法士協会在籍 介護予防推進リーダー取得
- ポケットセラピスト 登録理学療法士
- 健康経営アドバイザー取得
- 一時救命処置(BLS:basic life support)取得
執筆
- 医療情報サイト『Good Health』
怖さもしらないと!ステロイド(関節注射)効果と副作用 (good-health.jp)
メッセージ
当整体院『大田区池上整体院 からだ塾』のミッションは、「お客様が『自らの力』でも健康を管理できるようになること」です。
しかし、ご自身の大事なお体の特徴や状態を把握している方はそう多くないのが現状です。
それは、子供の頃から体について学ぶ機会が今の日本には少ないからです。
・病院で湿布や薬を処方されても、痛みがなかなか改善せずに悩んでいる方
・腰痛や膝の痛み、肩こりに苦しみ、整骨院や整体院、マッサージに通い続けても、またすぐに痛みが戻ってしまう方
・病院でのリハビリが期限で終わり、でも本当はまだサポートが必要だと感じている方
・痛みが落ち着いて運動を再開したけれど、再び痛みが出て、趣味や日常生活を全力で楽しめないと感じている方
・何とか自分で改善したいと願っているものの、どこから始めれば良いのか分からずに迷っている方
・既に他の治療院や整体、病院のリハビリを試したけれど、満足のいく結果が得られなかった方
これらすべての方々にお伝えしたいのは、痛みを繰り返すには「理由」があるということです。内服での対症療法、寝てマッサージを受け、一時的にラクになるだけでは、根本的な解決には至りません。
本当に大事なことはご自身のお体の特徴を理解し、それに合わせた適切なケア方法やトレーニングを知り、実践することが、長期的な改善の鍵となります。
『あなたにもっと早く会えていれば良かった』
これは、私たちが病院勤務時代に理学療法士としてリハビリテーションを行っていた際に、患者さんからよく言われた忘れられない言葉です。
『40代、50代であなたに会って、体のことを教えてもらえていたら、こんな状態にはならなかったかもしれない』
この言葉を聞いた時、私は病院に来る前にもっと早くサポートが必要だと痛感しました。病院だけでは救えない方々がいる現実に直面し、問題が表面化する前から支援をする必要性を強く感じました。
私たちが提供できるのは、単なる一時的な痛みの軽減ではなく、長期的な健康維持のためのサポートです。これを日々探求しながら、より良い支援を提供できるよう邁進しています。そして、この大田区で地域貢献を果たしていきたいと考えています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
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